おおかみこどもの雨と雪

おおかみこどもの雨と雪』を観た。

始まって暫くは、「音楽がうるさすぎない?」とか「ぶつ切りやん」とか「ベタベタっすなぁ」などと思って観ていたのだが、これは決して正しくない。いや、正しくない訳ではないのだが、「ベタ」と言うにはそぐわない、何かとても奇妙なものがあることに気付く。この奇妙なものが終始この作品を薄い皮膜のようにおおっていて、既成の表現からごく微妙なずれを生じさせているがために、退屈さから逃れることに成功している。

では、この「奇妙なもの」とは何か?それが作家性であり、それを論じることが作品を論じると言うことなのではないかと言われれば、成る程そうですねと答えざるを得ないのだが、もう少し時間をかけて考えてみたいところである。大概ほったらかしにするけれども。

好きな作品かというと、これもまたちょっと答えられないけれども、観る価値はあるとは確かに言える。