2013-01-01から1年間の記事一覧

「かぐや姫の物語」を観てきた

高畑勲監督「かぐや姫の物語」を観てきた。結論から言うと駄目である。あの恐ろしく出来のいい予告編を10とすれば、せいぜい4ぐらいかなといったところ。 素人目にも大変な労作とわかる画ではある。その動きを褒めなければ美的不感症呼ばわりされそうな気が…

寒い

寒いとガクンと活動力が落ちて、二度寝三度寝当たり前、文章書くのも面倒臭い。今まではここまでだらけなかったと思うのだが、どうだったろうか。それはさておき、このまま年を越すのもあれなので、どうにかもうちょっとましな状態にしたい。とりあえず明日…

カイユボット展とか

散々迷った挙句、ブリヂストン美術館の「カイユボット展」に行ってきた。予想通り、「好き」と言える画家では無い。『パリの通り、雨』における光る石畳の表現等は好きだが、回顧展で全体像を把握したいという気になるほどではない。 ゴンブリッチ『美術の物…

日々のこと

不具合全部盛りと悪評高いF-05DからXperia Z1に機種変した。今のところ快適。今回はガラスフィルムと言うものを貼ってみようと池袋へ。3700円のフィルムを貼るとかアホらしいと思いつつも購入。風呂場で半裸で貼るも、ちょっとずれた。 少し前にipod-touchの…

読了 『現代アートの哲学』(西村清和) 『饗宴』(プラトーン、森進一訳) 新潮文庫の森進一訳の『饗宴』では、ディオティマが、エロスの母は貧窮の女神ペニアであると語る。ペニアが「神」であるならば、ペニアの特徴はディオティマが自身がソクラテスに語…

「ターナー展」

東京都美術館へ「ターナー展」を見にいってきた。会場に入るやいなや、予想に反して凄い混雑で心が折れかけた。テレビ等で宣伝されたのか、それとも3連休パワーか。ベルトコンベアのように動かなければならないのは結構なストレスである。しかし、何時までも…

「印象派を超えて―点描の画家たち」を観てきた

三菱一号館美術館へ行こうかと思っていたが、そこそこ強めに雨が降っていたために国立新美術館へ変更。昨日から始まった「印象派を超えて―点描の画家たち」に、朝一で行ってきた。こういう雨の日は、乃木坂駅から直通通路で行ける新美が強いなぁ。 この展覧…

読書メモ

『失われた時を求めて』(高遠弘美訳)は2巻読了。このまま3巻へ進むか、3巻を読み終わったら、高遠訳の4巻は出ていないがどうするか。 『現代アートの哲学』(西村清和)は、第9章を読んでいるところ。 最初のほうは大変面白く読んでいたのだが、5章・6章で…

ミケランジェロ展と興福寺仏頭展

上野に「ミケランジェロ展」と「興福寺仏頭展」を見にいってきた。 国立西洋美術館の「ミケランジェロ展」は、こちらの予想を上回るしょぼさ加減であった。事前に作品リストをチェックした多くの方と同じように、微妙な展覧会であることは予想していたのだが…

買物

『美学への招待』(佐々木健一)読了。やはりあまり語りが上手いとは思えないが、個々のトピックはかなり面白いものを扱っているので、取っ掛かりとしてはいいかも。しかし、著者は自分の立てたキーワードに耽溺しすぎている嫌いがあると思う。第七章の「し…

『西洋美学史』『美学への招待』

『西洋美学史』(小田部胤久)を読了し、『美学への招待』(佐々木健一)を読み始めた。普通ならば読む順番が逆であるべきなのだろう。どちらも初学者向けとは言えようが、ある程度本気で取り組む気が出来ている人が手にするであろう前者と、まったくの一般…

アンドレアス・グルスキー展

8/10(土)に国立新美術館のグルスキー展に行ってきた。通常の展示のように、制作年代順に作品を並べることなく、シリーズものであろうとランダムに並べた特殊な配置。それに加えて、パーテーションを使ってちょっとした迷路的空間を作り出そうとしたようでも…

『風立ちぬ』

昨日レイトショーで観て来た。 126分という上映時間はあっという間だっただろうか?いいや、これは正しく時間を感じさせる作品であり、それは少しも退屈さを意味しない。 冒頭の少年二郎のイケメンぶりに早くも涙が出そうになったが、ぐっとこらえていると夢…

毎日とはいかないまでもなるべくこまめに書くようにしようと思っていると、もう8月である。ブログに書いてないものだと、Bunkamuraの『アントニオ・ロペス展』(もう大分前だ)とブリヂストン美術館の『色を見る、色を楽しむ。』に行った。ブリヂストンのほ…

『ウォーキング・デッド』

久しぶりに発売日にゲーム(『ラスト・オブ・アス』)を買ったので、同じポスト・アポカリプスものの『ウォーキング・デッド』1st seasonを借りてきた。ゾンビ嫌いの自分は、こんな機会でもなければ見なかっただろう。ちなみにゲームは即積んでいる。 さて、…

ストーリー

「ゲームのストーリーがいい」とはどういうことかと、『ラスト・オブ・アス』の感想を読みつつ考える。ゲームのストーリーと言う際、ストーリーとプロットの違いはもとより意識されず、演出さえ含意されていることが多く、下手をすれば、狭義のゲーム性以外…

クロード・シモン『フランドルへの道』

書こうか書くまいか迷ったが、書く。 もうこれは今年のベストとかいうレベルではなく、オールタイムベストに入ってくる作品。「もし、自分が書いたことに出来るとしたら何を選ぶ?」という設問が、確か柴田元幸のエッセイにあったような気がするが、今この瞬…

ぐったり

5/22(水)、朝から「夏目漱石の美術世界展」へと出かける。平日の昼間だからガラガラで快適だろうと思って行ったら、男子高校生(中学生?)の団体様に遭遇。これはもう終了である。そっかー、そういう平日昼間にはそういう罠があるんだなぁーと激しく落胆。…

根津美術館へ

尾形光琳の『燕子花図屏風』の公開が5/19までなので、朝一で根津美術館へ。 会期終了間際とあって開場から結構な人。でも、後から後から増えていった様な気がするので、早めに行ってよかったのかも。 この間行った貴婦人と一角獣展のミル・フルールを思い起…

読書中/クロード・シモン『フランドルへの道』

世界中にウン万人はいるであろうクロード・シモン挫折者の皆様こんばんは。 かくいう私も、「ヌーヴォー・ロマン!?(よくわからんけど)読まねば!」などと思い書店に駆け込み、クロード・シモン『フランドルへの道』を購入。さあ、読むぞと気合を入れたがあ…

貴婦人と一角獣展

雨の中、乃木坂の国立新美術館へ『貴婦人と一角獣展』を観にいってきた。 6点の連作タピスリーが、天井の高い半円状の大きなホールにゆったりと配置されていて、大変に贅沢な空間。クリュニー中世美術館のように、作品間の間をぎゅっと詰めて、パノラマ写真…

ポンヌフの恋人

『ポンヌフの恋人』(レオス・カラックス)がTSUTAYAに入荷してたので観た。ブルーレイじゃないのかよ!と思ったがどうやらブルーレイは出てないみたいだ。まあいい。 かつて、僕が本当に若かった頃、この作品を観た感想はあまり芳しいものではなかった。「…

一時停止された終末 /『フランシス・ベーコン展』

終末はすでに始まっている。 終末の到来とともに、教皇が叫び声を上げる。だがしかし、その声が我々に届く半瞬前に何ものかが一時停止ボタンを押したのだ。故に叫ぶ教皇の画は異様な静寂につつまれており、我々は一時停止した終末を生きている。すでに終わり…

ラファエロ展

国立西洋美術館にラファエロ展を観に行ってきた。開館時からチケット購入の為の凄い行列。まともに鑑賞できないかと思われたが、意外とゆったりと観れた。何故だかわからないが枢機卿の朱色の服や帽子(?)に興味がわく。ちょっと着てみたい。 ラファエロ展…

画家>彫刻家

アレント『人間の条件』(志水速雄訳・ちくま学芸文庫)を何度目かの再開。読み終わるのかどうか不安になるのも通り越し、結構楽しめている…気がする。 ともかく、いまだ第三章「労働」なんであるが、結構面白い記述があった。古代ギリシアにおいて労働がい…

戦火の馬

スティーブン・スピルバーグの『フック』は、予想通り面白くなかったといった言葉では到底いいつくせぬ耐え難い陰惨さを漂わせた映画である。(蓮見重彦『映画狂人日記』) 思わずハスミンの『フック』評なんぞを引用してしまうほど、「予想通り面白くなかっ…

チキンでスイーツ好きな男のためのホワイトデー

現在の日本は、男が甘いものが好きだからといってなんら恥ずかしく無い世の中であり、むしろ何故恥ずべきことであるかのように扱われていたのかよくわかりません。とはいえ、何故だか男一人で入るには抵抗がある店というものが確かに存在しており、チキンな…

ナボコフ『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』読了。 次は何にしようかといろいろ迷ったけど、リョサ『チボの狂宴』に。 アレント『人間の条件』が第三章頭で止まったままである…。 ぼちぼち頑張るつもり。

桐島、部活やめるってよ

群像劇は最低限、それなりに込み入ったプロットを作り上げる必要があるため、見れるものになる場合が多い。安直に感性、センス、現場の空気といったものに逃げて思考を停止させるのではなく、ちゃんと考えることをある程度まで強いる形式だからである。 では…

おおかみこどもの雨と雪

『おおかみこどもの雨と雪』を観た。 始まって暫くは、「音楽がうるさすぎない?」とか「ぶつ切りやん」とか「ベタベタっすなぁ」などと思って観ていたのだが、これは決して正しくない。いや、正しくない訳ではないのだが、「ベタ」と言うにはそぐわない、何…