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読了
『現代アートの哲学』(西村清和)
新潮文庫の森進一訳の『饗宴』では、ディオティマが、エロスの母は貧窮の女神ペニアであると語る。ペニアが「神」であるならば、ペニアの特徴はディオティマが自身がソクラテスに語った神の特徴と相反するので、矛盾を引き起こす。
以下1)2)ともにディオティマの台詞。
1)およそ神と言われるものは、いかなる神にせよ、すでに知者であるのですから
2)〔エロスは〕無知で、貧困なる者を母としている
はい論破!とか思いつつ、録画してあったNHKの『100分de名著:饗宴』を観ていたら、ペニアは「貧しい女性」ということになっていた。むむむ…。まあ、『饗宴』ぐらいのタイトルになると、ここら辺はとっくに論じられているんだろうけど。ちょっと他の人の訳も参照したい。
しかし、今回初めて『100分で名著』を観てみたのだが、思っていたよりもずっとカジュアルなつくりだった。いや、いいんだけど…。4回目の放送のゲストが江川達也というのも、観る気を大きく減退させる。誰向けの人選であるのか。
『失われた時を求めて』3巻を読み始めた。『分析美学入門』にも手をつけるつもり。