アンドレアス・グルスキー展

8/10(土)に国立新美術館のグルスキー展に行ってきた。通常の展示のように、制作年代順に作品を並べることなく、シリーズものであろうとランダムに並べた特殊な配置。それに加えて、パーテーションを使ってちょっとした迷路的空間を作り出そうとしたようでもある。これらがもたらした効果かどうかは定かではないけれども、作品を見ている時に何度か、「あれ?今、私たちが見られている/撮られている?」とありもしない視線を感じた。グルスキー作品を特徴づける細かく仕切られた空間や群集。それを遠近から必死で鑑賞する私たちではあるが、いつの間にやら自分たちが、その「細かく仕切られた空間」で見られている「群集」ではないかと錯覚する。その体験/経験こそが今回の展示のキュレーションの狙いなのだとしたら、それなりに成功していたといい得るのかもしれない。

 

 

初期の「ルール渓谷」(1989)などは、シンプルに、自分もカメラ持って荒川にでも行って撮ってみたいという衝動を起こさせて、好きだ。スマホのカメラしか持ってないけれど。あと、「オーシャン」の海の色の濃淡でザオ・ウーキーを思い起こした。