ミケランジェロ展と興福寺仏頭展

上野に「ミケランジェロ展」と「興福寺仏頭展」を見にいってきた。

 

国立西洋美術館の「ミケランジェロ展」は、こちらの予想を上回るしょぼさ加減であった。事前に作品リストをチェックした多くの方と同じように、微妙な展覧会であることは予想していたのだが、これほどとは。ガラガラに空いていて、独占状態でじっくり観られるならば、まだ得るものがあったかもしれないが、手のひらサイズの習作を人が3重に取り囲む状態ではそれも望めない。4K映像は流石に綺麗ではあるが、音楽が主張しすぎで、いささかうるさい。

 

日本におけるイタリア年というよくわからない企画のために、レオナルド、ラファエロミケランジェロルネサンス三大巨匠の展覧会を固め撃ちしたかったのかもしれないが、満足のいくレベルに達したのはラファエロ展だけじゃないだろうか。レオナルド展はパスしたので伝聞だが。

 

ついでに12月7日からのモネ展の前売り券を買ってきた。これは楽しみ。前売りはチケット売り場じゃなくて、インフォメーションカウンターで買うのね。

 

さて、もやっとした気分のまま芸大美術館の「興福寺仏頭展」へ。照明を落とした広い展示室の正面奥に仏頭を据え、そこに到るまで左右6体づつ十二神将立像を侍らした空間での鑑賞は、曼荼羅の中に入り込んだようで楽しい体験だった。周りからも展示形式を褒めている声が聞こえた。しかし、十二神将はかなりコミカルで、何度も吹き出すのをこらえる羽目になる。現代の少年漫画ならばもって3週、下手したら一コマで全員やられそうである(失礼)。仏頭様は今にも目が光り、口が開いて、アポカリプスの到来を告げそうなたたずまいであった。板彫りの十二神将も見ごたえがあって、中々に満足のいく展示でした。