10月に観た映画一覧

14本。つまんない作品に引っ張られてモチベが低下したが、それ以外は名作ぞろいだったので、本数はいかなかったが、かなり満足。ちなみに、つまんない作品とは、『ワイルド・ワイルド・ウエスト』、『チャンプ』、『バトル・ロワイアル』、『山猫は眠らない』のこと。やたら評判の良かった気がする『ウィンター・ソルジャー』だが、個人的には全然駄目。ジョギングのシーンとか、船を制圧するまでのアクションとか、結構悪くないシーンが多いとは思うのだけれども、全体としては冗漫で退屈。
久しぶりに観た(小学校以来?)『白雪姫』には、度肝を抜かれた。あれだけのキャラクターが一度にあれほどぬるぬる動くのは流石に凄いと思う。もう一つ、原作があんまり好きでもないし、全然期待していなかった『嵐が丘』にあんなに見入ってしまうとは思わなかった。

 

 

1.ワイルド・ワイルド・ウエスト
2.アパッチ砦
3.チャンプ
4.機動警察パトレイバー2 the Movie
5.バトル・ロワイアル
6.山猫は眠らない
7.ファンタジア
8.マルタの鷹
9.白雪姫
10.ジャイアン
11.キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー
12.アパートの鍵貸します
13.パットン大戦車軍団
14.嵐が丘(1939年)

日々のこと

10/24にホドラー展、11/1に菱田春草展に行ってきた。
春草展は終了間際で、混雑することが容易に想像できたので、ぎりぎりまでどうしようか迷ったのだが、限界以上に混んでたら帰ってきたらいいぐらいの気持ちで行ってみた。開場40分前ぐらいに東京国立近代美術館に着いたのだけれど、すでに列が形成されつつあった。あーあと思いつつも入場してみると、意外とスムーズに見れるというか、かなり快適に鑑賞できた。何故だろう?不思議なものである。西洋画と日本画の違い?
さて、内容は予想以上に素晴らしかった。今年はあまり展覧会にいけてない気がするが、ぶっちぎりでベスト1じゃないだろうか。本当に行けてよかったが、ギリギリまでノーマークだったのは迂闊すぎる。反省。
ちなみに、糸かがりで180度開く図録も素晴らしく、ぺらぺらめくって観ている。黒猫ばかりが注目されるけど、この白猫なんかもかなり良いと思うんですよね。どこ見てるんだっていう。

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Huluにジャームッシュの作品が追加されましたね。久しぶりに観直してみようかしら。この調子で充実させていって欲しいのだけれども。ゴダールとかアンゲロプロスとかキアロスタミとか…無理でしょうかねえ?
とりあえず、シャーロックを観たりしている。子供のころは本当にホームズになりたかったんだよなぁ(しみじみ)。ポケットにサンドイッチを突っ込むのが夢だったのだ。

『ジャイアンツ』(野球チームではない)

ぼそぼそと、どうにも頭の良くなさそうな受け答えをするロック・ハドソン。厚化粧に趣味の悪いピンクのドレスを着てビッチにしか見えないエリザベス・テイラー。両者は何故か一目ぼれをし、エリザベス・テイラーは僅かのためらいも無く交際相手を忘却のかなたへと放逐、大地主であることしかとりえのなさそうな(しかしそれが決定的に重要か?)ロック・ハドソンと結婚する。つがいとなった二人はテキサスの大牧場へと向かう。そこには、実質的な家長として権勢をふるう小姑と、挙動不審な変質者にしか見えないジェームス・ディーンがいる。ロック・ハドソンはホームグラウンドへ帰るや否や、頑迷な南部の男の本性を遺憾なく発揮し、ジェームス・ディーンはあからさまにエリザベス・テイラーへの好意を示す。もはやこの先の安っぽい展開は見えたも同然で、とすれば、いったい何を楽しみにこの映画を観たらいいのか。テキサスの、地平線まで続く荒野と夥しい牛の群れにアメリカ性なるものを見出して、しみじみすればいいのだろうか?

「でもまだ2時間以上あるよ?」と思って観ていた私なんぞは、鑑賞眼や映画リテラシーなどといったものをまったく持たぬ間抜けであることがすぐに判明する。そのぐらい中盤から俄然面白くなるので、興味のある方は観て下さい(手抜き)。いざとなったらグーパンに物を言わすアメリカ的父親のロック・ハドソンに、チャールズ・インガルスを思い出したのでした。いや、本当に面白いから。

『パットン大戦車軍団』

ミリタリー関係に疎い自分にとっては、第二次世界大戦の将軍といえば、ロンメル、モントゴメリー、パットンぐらいだ(日本のぞく)。この中ではロンメルの評価が頭抜けていて、なんというか孔明的な立ち位置っぽい。一方、対する連合国軍側の2人のイメージは、俗物で、足の引っ張り合いばかりしているといったもの。これらのイメージが何から醸造されたのか、正しいのか正しくないのかはわからないけど。

さて、『パットン大戦車軍団』(Patton)である。赤、白、青の星条旗が画面を覆いつくし、鮮やかに輝いている。そこに完璧な軍装に身を包んだパットンが登場し、彼の特徴である汚い言葉を交えつつ、戦意高揚の演説をぶつ。完璧な主人公紹介であり、素晴らしい導入である。我々はこう思う。こんな男は決して上司にしたくないし、親兄弟はもちろん、親戚のおじさんとしても、友人としても御免である。その影響力が及ぶ範囲からは速やかに遠ざかりたいタイプの人間。だがしかし、この男が何をしでかすのかは大いに興味がある。

猪突猛進系馬鹿将軍。一言で言えばそうなるのかもしれないが、勿論そう単純な人物造形ではない。戦史に通じ、戦跡を訪ねて過去に思いを馳せ、詩を詠む。しかし、「過去のあらゆる戦場にいた」という彼の言は、冗談でも詩的表現でもない。パットンは本当にそう思っているのだ。そんな妄想を育んでしまうほどの戦争好き。味方部隊が壊滅し、死体が転がる中を歩きながら、「戦場が大好きだ!」と言い放ってしまう男。間違いなく、英雄タイプの人間である。

そんなパットンは、劇中で「時代遅れの戦争屋」と評される。機関銃の導入から原爆に到る兵器の発展と規模の拡大により、戦争は英雄の活躍の場ではなく、大きな破壊、殺戮、痛み、悲しみが混淆した場と変容をとげた。もはやパットンのような男の居場所は無い。

アレクサンドロスハンニバルカエサルやナポレオンとともに戦場を駆ける将軍が第二次世界大戦を戦ったらどうなるか。これはそんな映画である。

ちなみに、空の青や山の緑などの色彩が異常に鮮やかで、風景がいちいち美しい。映像的にも現在の戦争映画に引けを取らない、というか大体上回っていると思うので、観るならBlu-rayがおすすめ。言うまでも無く音楽も素晴らしい。

 

MONKEY vol.4 届いた

久々の柴田元幸本であるMONKEY vol.4が届いた。予約特典のサイン+直筆原稿(コピーにあらず!)につられた次第。無料特典なのに、きちんとクリアファイルに入っていたのが嬉しい。しかし、何の作品の原稿なのかわからんぜ…。
チラッと目を通そうとして、巻頭の『かえるくん、東京を救う』(村上春樹)のバンド・デシネ版に目を奪われ、読み込んでしまう。普通、「かえるくん」をヴィジュアライズするとしたら、アマガエルかアオガエル系だと思うのだけど、このバンド・デシネ版では忍者が使役しそうな堂々たるガマガエル系であって、正直ちょっとグロい。翻案のJc ドゥヴニという人のアイデアなのか、漫画のPMGLという人のアイデアなのかはわからないけれど、結構面食らった。だがしかし、これがかなり面白く引き込まれてしまう出来。おすすめ。原作は遠い昔に読んだきりだが、掘り起こして久々に読んでみたくなった。

最近はフォークナーの『八月の光』(加藤祥三訳)を読んでいる。意外なほどに読みやすく、面白い。読み終わったらジョン・ウィリアムズの『ストーナー』にいくつもり。その合間に今回のMONKEY掲載のジャック・ロンドン『野生の呼び声』を読んでいこう。

 

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9月に観た映画一覧

17本。ブレイキング・バッドをラストスパートでマラソンしたにしては、まあまあな本数だと思う。
AFIのアメリカ映画ベスト100というものがあって、当然観ていてしかるべき名作ばかりなのだが、結構抜けが多い。観たのが昔過ぎて、ろくに覚えていない作品も結構ある。というわけで、リストを埋めていく作業にかかっていて、これがかなり楽しい。レンタルビデオ屋の過去の名作の網羅率は非常に低いので、Amazonで注文するしかないのだが、パブリック・ドメインのものが多くて安いのが救いといえば救い。ここら辺の著作権切れのクラシックスはHuluで充実して欲しいと思うが望みは薄いだろうか。
後は、Huluに入っているものをだらだら。久々に『ミリオンダラー・ベイビー』を観たが、好きなシーンはやっぱり、ヒラリー・スワンクが客の残したステーキをアルミホイルに包んで持ち帰って、小銭を勘定しつつ食べるところ。たまらん。

1.紳士協定
2.ライムライト
3.LIFE!
4.回路
5.ボーイズ・ドント・クライ
6.捜索者
7.モダン・タイムス
8.スミス都へ行く
9.ミリオンダラー・ベイビー
10.ゲームの規則
11.黄金
12.キートンの大列車追跡
13.パプリカ
14.ハンコック
15.イップ・マン 序章
16.深夜の告白
17.イップ・マン 葉問

『ブレイキング・バッド』みてる

8月から『ブレイキング・バッド』を見はじめた。今年は可能な限り映画を観ようとしているので、海外ドラマには手をつけないようにしていたのだけれど、あまりに評判が良いのでスルーできなかった。観てみると、確かに面白い。面白いが、フツーに面白いぐらいじゃないか?そこまで騒ぐほどのものだろうか?とりあえず見続けるけど。という具合だったのだが、話が進むにつれて、どんどんテンションが高まっていく。3rdシーズンぐらいからは、まさに震えるぐらいに面白い展開だ。銃の取り扱いの練習をするウォルターは『タクシードライバー』のデ・ニーロを髣髴とさせ、ジェシーの集会でのスピーチはTEDなんか目じゃない。ハンクは両足が不自由になるが、そこから精神的に立ち直ったとき、ホームズ・ブラザーズもかくやという程の安楽椅子探偵として開花し、ガスに迫る。
登場するキャラクターがそれぞれに問題を抱え、それがもつれつつ繋がっていくというのはよくある話である。しかし、たいがいは冗漫さを感じさせたり、力点が拡散して緊張感が保てなくなったりする。『ブレイキング・バッド』のように、長いスパンの間強度を保っていられるというのは稀有な例なのだ。
我慢できなくてhuluに登録した。それなりの回線速度があるなら十分考慮に値する選択肢だ。とりあえず無料の2週間の内に『ブレイキング・バッド』を見終わって、加入し続けるかはその後で改めて考えようと思う。

4thシーズンも終わりに近づいてきた。鑑賞作業に戻ります。